サイモントン療法は、アメリカの放射線腫瘍医カール・サイモントン博士によって開発された、がん患者様とそのご家族・支援者のための心理療法です。近年では、がんだけでなくストレスに関連するさまざまな病気や、心身の健康を考える方にも広く応用されています。
当クリニックでは、ヒプノセラピー(催眠療法)、NLP(神経言語プログラミング)、タイムライン・セラピー®などのセッションと併用することで、相乗効果を生み出すことも可能です。
サイモントン療法の基本的な考え方
サイモントン博士は、同じ治療を受けていても、患者様の「心の持ち方」や「生きる姿勢」によって回復の経過が大きく異なることに着目しました。 この療法では「人は本来、健康になろうとする力を持っている」と考え、心と身体のつながりを大切にします。
治療法の具体的なイメージ
サイモントン療法は、以下のような多彩なワークを組み合わせて進めます。
1. イメージ療法(イメージトレーニング)
- 目を閉じてリラックスし、自分の免疫細胞ががん細胞を攻撃している様子や、治療がうまく進んでいる場面をイメージします。
- 例えば「白血球ががん細胞を包み込んで消していく」「薬が身体の中でしっかり働いている」など、具体的な映像を思い描きます。
- このイメージを繰り返すことで、治療への前向きな気持ちや、身体の回復力を高めるサポートとなります。
2. ビリーフワーク(認知行動療法)
- 病気や治療、人生に対する考え方(ビリーフ)を見直し、不安や恐れ、絶望感などの感情を整理します。
- 「自分はもうダメだ」という思い込みを、「まだできることがある」「今できることに集中しよう」といった前向きな考えに切り替える練習をします。
3. 喜びリストの作成
- 「自分がやりたいこと」「楽しいこと」「心地よいこと」をリストアップします。
- 例えば「好きな音楽を聴く」「家族と散歩する」「おいしいものを食べる」など、日々の小さな喜びを意識的に増やします。
- さらに、3か月後、半年後、1年後に実現したいことを具体的に書き出し、それを達成した自分をイメージします。
4. 死生観・スピリチュアルワーク
- 病気や人生、死について考え、自分自身の価値観や生き方を見つめ直します。
- 死への恐怖や不安を和らげ、生きる意味や人生の目的を再発見する時間を持ちます。
5. 運動やリラクゼーション
- 軽い運動や呼吸法、リラクゼーション法も取り入れ、心身のバランスを整えます。
期待できる効果
- 不安や恐れ、絶望感などの感情を和らげ、前向きな気持ちで治療や生活に取り組めるようになります。
- 喜びや生きがいを見つけることで、QOL(生活の質)が向上します。
- 科学的な研究でも、サイモントン療法を取り入れた患者様は、従来の治療のみの場合よりも生存期間が延び、生活の質が高まったという報告があります。
このような方におすすめ
- がんや慢性疾患の治療中で、不安やストレスが強い方
- 病気と前向きに向き合いたい方
- ご家族や支援者として患者様を支えたい方
- 自分の生き方や価値観を見つめ直したい方
- 日々の生活に喜びや充実感を増やしたい方
サイモントン療法は、イメージトレーニングや認知行動療法、喜びリストの作成など多彩なワークを通じて、心と身体の回復力を引き出す心理療法です。「自分らしく生きる力」を取り戻し、治療や人生を前向きに歩むサポートとなります。
ご興味のある方は、ぜひ一度ご相談ください。